
都築まゆ美

プロフィール
1966年東京生まれ。
1988年武蔵野美術大学工芸工業デザイン学科(インテリアデザイン専攻)卒業。
油彩画とリソグラフによる版画作品を制作、個展やアートフェアへの出展をメインとしつつクライアントワークを行う
また、布による動物の壁掛けオブジェFabric trophyの制作など、様々な創作活動をしている。
日常の何気ない風景や人物を描きながら、記憶の曖昧さや感情の残像を表現
光と影、可愛らしさと不穏、親密さと距離感といった二面性の共存を探求し、
鑑賞者それぞれの記憶と重なり合うような作品を目指している。

作品を作り始めたのはいつ頃ですか?
幼少期から、絵を描くことやものを作ることは生活の一部でした。
父がデザイン関係、母が洋裁講師だったので家の中には常に色とりどりの紙や布が溢れ、
私にとってそれらは最高のおもちゃでした。
迷うことなく美術大学へ進みデザインを学び、その後イラストレーターとして書籍装画などを手がける一方、
インテリアオブジェの制作を続ける中で、より純粋でストレートな自己表現としての『描くこと』に立ち返り、
現在の活動に至ります。

アーティストを目指すようになったのは、どのような経験や思いがきっかけでしたか?
長くイラストレーターとして活動してきましたが、クライアントの意向という枠を離れ、
自分の中から湧き上がるイメージに正直に向き合いたいという思いが強くなったことがきっかけです。
物事をわかりやすく視覚化するのではなく、目に見える形の奥にある、
私なりの『実在感』を形にすることが、現在の制作の原動力です。

現在の作風に至るまで、どのような試行錯誤を重ねてきましたか?
初期はプリントゴッコやデジタル版画を用い、色のズレや重なりの面白さを探求していました。
その後リソグラフへと移行し、独自の手法で唯一無二の表現を確立していきましたが、
サイズの制限やユニーク(一点もの)への希求、油彩への憧れから、
苦手と思い込んでいたペイントに挑むことにしました。
現在は油彩が中心ですが、版画で培った「画面を層として構築する視点」が、
現在の作風へと繋がっていると思います。

作品に共通するテーマやコンセプト(アーティストステートメント)について教えてください。
私のテーマは「二面性の共存」です。
光と影、温もりと冷たさ、親密さと距離感、安らぎと不穏。そうした相反する感覚が同居する世界を描いています。
ありふれた日常の断片に、記憶や空想を織り交ぜることで、
不確かでありながらも誰の心にも届くような「普遍的な物語」を提示することを目指しています。
作品のアイデアは、日常のどんな出来事や風景から生まれることが多いですか?
私の作品のアイデアは、日常のすべてと地続きにあります。
日々の暮らしの中で塵のように降り積もる微細な感情、
あるいは古い写真やアルバム、映画、小説、夢、印刷物の手触り。
そうした断片的な記憶に、日常の光影が重なり合って一つのイメージが形作られます。
毎日17時まで筆を動かし、その後は家族の夕食の準備に買い物へ向かいます。
夕刻の住宅街や公園を歩きながら目にする、季節の移ろいや人々の営み。
その何気ない光景は、私にとって記憶の層を深め創造力を刺激する大切な時間になっています。

今回、「tagboat Art Fair 2026」に出展される作品について教えてください。
今回は油彩を中心に、サイズの異なる作品たちが一つの響き合いを生むような、トータルな空間構成を意識しています。
最近の私の作品は、光と影の強いコントラストを追求する傾向にありましたが、
現在はその先にある、まるで柔らかなベールに包まれたような静謐な世界に惹かれています。
何気ない日常の断片を、これまでとは異なる新たな視点のフィルターを通すことで、
曖昧でいながらも確かな実在感を伴った作品群として提示したいと考えています。
現在その輪郭を丁寧に探りながら、制作を進めています。

今後の制作において挑戦したいことや意識していきたいことを教えてください。
変化を恐れず、その時々に自分が惹かれている感覚に対して正直であり続けたいと考えています。
展覧会ごとに異なるテーマを設け、実験的な試みを重ねていきますが、
それは無理に新しさを追うことではありません。
現在は、油彩という画材の持つ底知れない奥深さを日々実感しています。
この素材を通して、自分の表現をさらにどこまで広げていけるか挑戦したい。
今の自分にとっての『実在感』を深く掘り下げていくことで、自然と現れる次の表現を形にしていきたいです。
4月24日(金)ー26日(日)開催:tagboat Art Fair 2026

「tagboat Art Fair 2026」
会期
2026年4月24日(金)ー26日(日)
詳細日時
・Preview -会場限定販売期間-
4/24 (fri) 16:00 – 20:00
・Public View -オンライン同時販売-
4/25 (sat) 11:00 – 19:00
4/26 (sun) 11:00 – 17:00
※3日間どなたでもご来場可能です
会場
東京都立産業業貿易センター浜松町館 展示場2階
〒105-7501 東京都港区海岸1-7-1 東京ポートシティ竹芝
JR/東京モノレール 浜松町駅(北口)から徒歩5分
ゆりかもめ 竹芝駅から徒歩2分
都営浅草線/都営大江戸線 大門駅から徒歩7分
チケット代
1500 円(会期中再入場可能)
※障害者手帳のご提示でご本人様、付添いの方1名まで無料
※学生証のご提示でご本人様無料
※小学生以下のお子様は無料